フェルト手芸で接着剤を使いたいけれど、どれを選んだら良いか分からない。私自身フェルトの接着について悩み、様々な接着剤を購入してきました。今回は接着剤を分類し、各接着剤ごとに比較しお勧めの接着剤を紹介します。
フェルト・布の接着可能となっている接着剤全てでフェルト同士の接着が可能です。
具体的に述べると、木工用接着剤・木工用接着剤速乾タイプ・多用途木工用接着剤をはじめ、手芸用接着剤・クラフト用接着剤などです。接着剤のメーカーHPで自分の使用用途に合った接着剤を検索することが可能なので、是非検索して購入してみてください。
では、木工用接着剤が低価格で使いやすいので木工用接着剤を使えばいいのでしょうが、このサイトに来ている方の多くは木工用接着剤では物足りなく感じているのではないでしょうか?
私も同じです。木工用接着剤は、フェルトに塗布してから圧着し、静置しておく必要があります。この為、平な面同士の接着は得意ですが、球体等丸みを帯びた物の接着は苦手なように感じます。
そんな場面で活躍してくれる接着剤が、溶媒が水以外の接着剤です。
主成分で種類を分けてみました。フェルトによく使われる接着剤のみですが、特徴や商品名をまとめてみました。購入する際は、まず種類別に接着剤を購入して自分の好みの接着剤を見極めてみてください。
木工用接着剤は、酢酸ビニル樹脂を水で溶かした接着剤です。速乾木工用接着剤は、通常の木工用接着剤と比較すると水分の割合が少ないです。また、ニオイが少ないことも人気の理由の一つです。接着剤は白色で硬化後が透明になり、乾燥後の接着剤の表面は硬いです。
木工用接着剤は水分が蒸発することで接着剤が硬化します。この為水が少ない方が硬化する時間が短くなります。速乾タイプの木工用接着剤は、複数のメーカーから販売されいているので、どの接着剤を選べば良いか分からない際は水分の少ない物を選ぶとより速乾性に期待できるのかなと思います。私は水分率が、5%程変わると少し乾きが悪いと感じます。
木工用接着剤は、接着面に薄く均一に塗りすぐに貼り合わせる使い方が多いですが、丸い物と平たい物を接着する際には接着剤を多めに塗布して軽く圧着させた後1時間程静置するとしっかり接着できます。
多用途木工用接着剤は、エチレン・酢酸ビニル樹脂が主成分です。通常の木工用接着剤に比べ、硬化後の樹脂皮膜が柔らかく曲げ等、多少の衝撃に耐えられることが特徴です。色は白色で硬化後透明になります。あまりニオイは感じません。粘度は木工用接着剤と同じように思います。
フェルトに使用する際はヘラ等で薄く均一に伸ばして圧着し、1時間以上静置します。薄く均一に伸ばさないとフェルトから接着剤が染み出ますので注意が必要です。木工用接着剤と同様で、丸い物と平たい物を接着する際は接着剤を多めに塗布すると接着しやすいです。
サンフェルトのフェルト屋さんの接着剤やクラフト小町等細口ノズルの物が多いです。メーカーによって水分の多さが変わりますが、使用感はあまり差がない印象です。
個人的には通常の木工用接着剤よりも多用途木工用接着剤の方がフェルトに染みにくいかなと感じます。
発泡スチロール用接着剤の主成分は、酢酸ビニル樹脂です。これは木工用接着剤と同じ主成分です。しかし、この発泡スチロール用接着剤の溶媒は、アルコールやメタノールやアセトンとなっています。
発泡スチロール用接着剤はニオイがあります。色は透明で粘度は木工用接着剤と差ほど変わりません。溶媒がアルコールな為か、木工用接着剤よりも速乾のように感じます。
発泡スチロール用接着剤も様々な商品があります。主成分が多い方が粘度が高いように感じます。この為、サラッとした物を好む方は主成分が少ない物を選ぶと良いです。
メーカーによりますが、接着する両面に接着剤を塗布して2~5分おいて貼り合わせる使い方が多いです。私は両面塗布が難しい場合は片面のみに塗布して使用しています。1~2分程の乾燥で他の接着剤よりもしっかりと引っ付きますので、他の作業をしやすく愛用しています。
手芸用接着剤は木工用接着剤と同じ酢酸ビニル樹脂を主成分とする物と、シリル化ウレタン樹脂を主成分とする物があります。裁ほう上手や布上手はシリル化ウレタン樹脂が主成分です。今回は、シリル化ウレタン樹脂の接着剤についてまとめました。
これらの接着剤の溶媒は水です。ニオイは少しあります。色は透明で硬化後も樹脂皮膜が柔らかい印象です。この為、布地の風合いを損ないにくくなっています。
ポリエステルフェルトの場合は、アイロンを掛ける方が接着しやすいです。丸いフェルトを接着する際はやや多めに接着剤を塗布し、静置する必要がありそうですが、私はコツが掴めなかったです。価格が木工用接着剤や発泡スチロール用接着剤と比較すると高いです。
コニシのウルトラ多用途suがこれにあたります。溶媒が無いので粘度が高く、すぐに引っ付きます。湿気で固まるタイプの接着剤なので、梅雨の時期は硬化が速く扱いにくく感じました。ニオイもあります。
扱いにくさはありますが、フェルトがしっかり接着します。強度も高そうなので、こちらの接着剤を使っておけば間違いないかなと思います。
〇〇ゴム+水以外の溶媒の接着剤です。こちらは、高粘度で硬化後の樹脂皮膜が柔らかいです。成分で主成分の割合が少ない接着剤の方が低粘度で扱いやすい印象があります。
Gクリヤーやクラフト用ボンドがゴム系接着剤になります。溶媒の割合で粘度がやや変わる印象です。色は透明でややニオイがあります。
フェルトに染み込みにくく、丸いパーツもしっかり接着できます。ただ、ノズルが太めなので、小さいパーツに塗布する場合は使いにくいです。
私のお勧めの接着剤は発泡スチロール用接着剤です。コニシ・セメダインの商品に加え、カネダイン・カネスチック・スチのり・スチロールのり等があります。
成分は前述したように酢酸ビニル樹脂+アルコール等の溶媒です。木工用接着剤と比較すると高粘度で、糸が引きやすく、アルコール等溶媒の匂いもあります。しかし、フェルトに染み込みにくく、速乾性もあります。丸みのあるフェルトでも、塗布して2分ほど接着剤を乾燥させると接着可能です。
写真のように接着面が小さくてもしっかり固定できます。木工用接着剤や、多用途木工用接着剤・手芸用接着剤でこの様に接着しようとすると、接着剤を多めにつける必要があり、接着剤がはみ出しやすくなります。
発泡スチロール用接着剤の中で私がお勧めしたのは、建築模型用として有名なスチのりやスチロールのりです。
私が購入したtakedaのスチロールのりは、塗布後乾燥させて等の使い方が載っていなかったので、片面塗布後1分ほど乾かして接着させていますが、問題なく使用できています。こちらは、プラスチック容器に接着剤が入っていて、自分で容器先端をカットして使います。チューブ容器の接着剤と比較するとノズルが細く、細かいパーツに塗布しやすいです。
ゴム系の接着剤でも接着可能なのですが、細口ノズルの物が少なく扱いにくさを感じるので発泡スチロール用接着剤が一番のお勧めです。発泡スチロール用接着剤は安価で、ダイソーやセリアでも購入できます。オンラインでも購入ができるので気になる方はぜひ購入してみてください。
フェルト手芸で接着剤について悩むことがあるかと思います。特にポリエステルフェルトは接着しにくいようですね。私は、水分よりアルコールの方が乾燥しやすいのではないかと考えて発泡スチロール用接着剤を使ってみた所、せっかちな性格にピッタリな速乾具合を発見することが出来ました。
従来の使い方ではなく、片面に塗布してすぐに貼り付けても私的には問題ない程度に接着してくれます。木工用接着剤や手芸用接着剤では不自由に感じる方は是非使用してみてください。